見越し
たとえば、手球の左側もしくは右側を撞くと、撞いた瞬間に手球は右にや左にずれて前に進みだす。つまり的球に対して本来当てるべき厚みに進んでいかない。つまり厚みを間違えて、シュートミスしちゃうわけです。従って、ひねりを使う場合、この効果を考えて撞かないといけない
その効果を「予測する」、つまり「見越す」という意味で使ってる。
さて、見越しは大きくわけて3種類ある。
- ディフレクション(deflection)
- カーブ
- スロー
これらの効果を、撞く時に「見越して」シュートしにいくと。
ディフレクション
通称「とび」。たとえば、右ひねりをした場合の手球の軌道をみてみよう。
キュー先が手球の右側にあたった後、手球が左側に押しやられている。この効果が「とび」。真ん中を押してあげれば、そのまま前に行くだけだが、右側を押してしまっているので、手玉が「いやん」って左側によけてしまってる。
この効果が「とび」、ディフレクションだ。
ハイテクシャフトと呼ばれるシャフトを持ったキューで撞くと、このディフレクションがかなり少なくなる。
カーブ
竜巻を思い浮かべよう。竜巻が素直に直進しているイメージはあるかい?どっちかによれてるように思いませぬか? この効果とにてる。
手球の右を撞いた際、手球は右回転がかかっている。右回転がかかっていると、手玉は右の方へよれて行こうとする力が働きます。逆に左回転がかかっていると左によれていく力が働きます。
下回転とか上回転をあわせてかけてあげると、カーブの出方も制御できるようになる。
- 上回転をかけてやると、撞いてすぐにカーブが始まる。
- 下回転をかけてやると、撞いた位置より遠いところからカーブが始まる
いわゆるラシャの摩擦が多くかかるかかからないかで、カーブの出方が変わる。下回転をかけたいと思い、手球の下を撞くと、手玉はを撞いた瞬間はラシャから少し浮いた感じになる。つまり、最初は摩擦が少ない。だから、カーブが出にくい。上回転は、手玉を上から押さえつけるように撞くので、ラシャとの摩擦が多量に発生することとなる。つまり、摩擦が大きい。
したがって、上回転の場合はカーブがすぐに出て、下回転の場合はカーブは遅めにやってくる。
尚、キューを立てるとこの効果は多く出、水平にすればするほど少なくなる。
尚、マッセはキューを極端に立てることで、手玉とラシャとの摩擦を大きくさせ、手球にカーブを多くかけてやっている効果(トラッキング)。
スロー
スローは沢山の意味を持ってるので、注意が必要。
先球に手球が接触した際に起こる効果。
- ひっぱる効果
- 回転力による効果
- すべる効果
いわゆるスキッド以外の効果の総称。
ひっぱる効果
手球や的玉というのは、つるつるに見えても、実際は摩擦があります。詳細は、ぜんまいのところで話をした通りです。
ゼンマイがあると今度は、簡単に離れないという効果を生み出しちゃうんですよ。表面張力ですねっ
この効果ってどうゆう効果というと・・・・
厚み半分で的玉を接触したあと、的玉は30度方向へ向かうでしょ?手球はその的玉に対して90度分離していくって法則ありますね。
で、もう少しマクロのところを見てみましょう。
実際、手球はざらざらしていて的玉もざらざらしている状態ですよね。これがゼンマイの効果を生むって話しました。このゼンマイがかみ合って、手球の回転が的玉に伝わったりするわけですよね
このかみ合う時間がほどよいと、普通の分離が成立します。
的玉と手球がしっかり思った通りに分離していってくれます。
でも、このかみ合う時間が思った以上に「長い」と、手球が的玉を引っ張って持って行ってしまう。つまり、ここで紹介する「ひっぱる効果のスロウ」が発生してしまう
逆に「短い」状態だと、的玉を取り残してしまう「すべり効果」となる。
回転力による効果
手球の回転力が先球へ伝わる効果。
まず、ひねりをおさらいします。
クッションに向かって垂直に手玉をおきましょう。撞点を真右にしてそのクッションめがけて手玉を撞く。
元いた手玉の位置へ、普通なら返ってきそうですが、右を撞いているので、それよりも右方向に返ってくる。
ひねりの基本です。右回転かけておくと、クッションに入った後、そのまま垂直に戻ってこないと。右に回転かければ、右方向へ進路が変わるし、左回転にすれば、左に進路が変わると。クッションに入ったときに、ひねりの効果で摩擦が発生して、摩擦の方向へ進路がずれたわけです。
余談ですが、このとき手玉とは逆の力、いわゆる反作用の力をもらっているはずです。
さて、この考えをクッションではなく先球に置き換えて考えましょう。
手球が右下回転で先球にあたった時、手球は右側手前に戻ってきます。クッションにあたった時と同じ効果ですよ!右のひねりを与えているわけだから、右側に戻ってきたわけです。
左下回転だった場合、左側に戻ってくるわけですね。
さて、ここで、先球のことを考えましょう。手球は右側へ戻ってきたってことは、あたった側(先球)は左側の力をもらっているはずです。いわゆる反作用をもらってます。ってことは、先球は左側へ行こうとするってことです。
逆も同じです。手球が左回転をしているなら、手球は左側へ行きたがり、先球は右側へ行きたがる。
これがスローです。クッションに対して起こる効果と同じものが、先球に対して起こるってことですね。これが回転力のスローです。 尚、クッションに対して、下回転、上回転で左右のひねりの乗り方が違うのと一緒で、先球に対して上回転/下回転で異なるスローが出ます。
この効果を利用して、先球をポケットする場合も多いです。 100%の厚みは見えるけれども、ポケットへは90%ぐらいで当てないないとシュート出来ない場合、わざと手球に回転をかけて100%で当ててあげます。そうすると、先球は直進せずに、手球の回転する方向へ手球が先球を少しひっぱってくれます。100%であてても、90%の厚みであてたのと同じ軌道が先球に生まれるわけですな。
すべる効果
すってんころりん効果です。先ほどの「持って行かれる効果」の逆です。イメージすると分かりやすいです。
摩擦がすごくあるところと、摩擦があまりないところでは、手球/先球の軌道が変わるんだよって効果です。
摩擦の種類としては、
- ラシャによる摩擦
- 先球と手球の接触面の摩擦
がありますなっ。
さて、話は飛躍しますが、先球と的球にローションをたっぷり塗りたくったとしてください。その上で、手球と的球を接触させてみましょう。
つるんって滑りそうじゃない?
先球50%の厚みで手球が接触しても、つるんってすべって上手くおっぺせないわけ。思った以上に薄く先球が進みます。 この効果を「すべる」っていいます。
ラシャについても同じです。 手球が先球にあたった時、ラシャの目に踏ん張ろうとするんですが、つるんつるんだった場合、踏ん張れないわけです。
踏ん張れないと、すべっちゃって、思った通りの方向へ進めなくなるわけ。
尚、話はながくなりましたが、このすべる効果が出ると先球は「薄い角度」で進んでいくようになりますです。
新ラシャや、ワックスがぎょうさんかかった球で楽しむと、ものすげー「すべる」効果が出て楽しめます。